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握ってしまった運命 愛徳 |
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「やっぱりさっきのレシートちょうだい」 男は戻ってくるなり脇目も振らずにレジまで来て言った。幸い、ゴミ箱の中のレシートはビリビリに破いてはいなかった。男はレシートを受け取り出口まで行くと、急に立ち止まりくるりと方向転換をし、またにやにやしながらこちらへ向かってきた。 「やっぱり捨てといてくれる?」 その目と口元から、明らかに俺をからかって遊んでいるのが分かる。しかし今は俺は店員で相手はお客さんだ。不信感を抱きつつもレシートを受け取る。男は、俺がレシートを再度ゴミ箱に捨てたのを確認して、こう言い放つ。 「やっぱちょうだい」 湧き上がってくる怒りを何とか抑え、ぷるぷると震える手でレシートを渡す。 「やっぱいらないわ」 捨てる。 「やっぱもらおうかな」 渡す。 「やっぱいいか」 捨てる。 「やっぱもらうわ」 きええええええええええええええ!! |
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